オープニングスタッフといえば、研修がついていてイチから丁寧に教えてくれるから安心と求人誌にPRされていることも多く、敷居が低い感じがしますが、実際はどうなのでしょうか?
実際、飲食店のオープニングスタッフに採用された体験談を基にオープニングスタッフについてお話します。
オープニングスタッフのメリット
飲食店のオープニングスタッフのメリット、デメリットをそれぞれご紹介します。
一般的にはオープニングスタッフはデメリットよりもメリットの方が多いといわれています。
・研修があり、一通り習った後に実践できる
店がオープンする前に1~2週間研修があります。
基礎的な知識やロールプレイングを通して、きちんと教えてもらうことができます。
バイトに採用されると普通は営業中に実践しながら研修を受けるケースが多いため、お客さんを迎える前に訓練ができるということは慎重派の方にはピッタリです。
・同じ立場でスタートなので仲間意識が芽生えやすい
前に同じような経験をしていた人、同じチェーンの他の店舗で働いていた人であっても、初めてこの店で働くという点ではみんな同じです。
そのため、メンバーの顔や名前を覚えることは皆、同じところからのスタートです。
自己紹介も丁寧にしますし、一緒に学び、分からないことや苦労を共感したり、教え合うことで自然と同期としての仲間意識が生まれてきます。
上下の関係ではなく、みな並列なので年齢すらあまり関係なく接することができます。
・新店の立ち上げでしっかりした店長がいる
新しい店舗というのはある程度の経験や実績がある店長が任命されます。
店舗の規模に関わらず、店長になりたての人が来るということはあり得ません。
そのため、新店の店長はブレのない芯のある人です。
店長がきちんとしているとお店の雰囲気も違います。
採用一つをとっても、店長がしっかりと見極めた人が採用となれば、ある程度はきちんとした人が揃っていることになるので、まとまりがあります。
ところが、条件最優先でなんとなく採用した場合は、いい加減な人が多くなり、仕事がしにくい職場になってしまいます。
約束事やルールがいいわいいわになってしまう店長では安心して働きやすいお店になりません。
・お店を自分たちで作り上げていく感覚が楽しい
基礎的なこと、大事なことはきちんと教えてもらうことができますが、お店独自の細かなルールややり方はバイトやパートに委ねられるケースも出てきます。
そういったことの積み重ねや、研修を受けて少しずつ自信をつけていく中で、早くお客さんをお迎えしたい気持ちになってきます。
こうして、積極的に仕事に関わっていくと、仕事にやりがいを感じ、楽しく感じる人も多いでしょう。
逆に、たかだかバイト。言われたことだけこなしたいのであれば、少々暑苦しいと感じるかもしれませんね。
・後に入った人に比べてシフトを優先的に入れてもらえる
基本的にシフトは先に入った人が優先的に入れてもらえます。
もちろん、特別な技術を持っているような場合は例外かもしれませんが、基本的には先にいる人優先されます。
そのため・・・
「小さな子供を抱えて急に休むかもしれない」
「土日は出られない」
そんな条件があったとしても、優先的にシフトに入れるのは先に採用された人です。
もっといえば、同じオープニングスタッフだったとしても、最初の頃の採用と既に研修が始まってからの追加採用とでは条件が多少違う場合もあります。
とはいえ、条件だけ揃えばいいわけではなく、その人の人柄や経歴などが合格点に達していることが前提にはなります。
オープニングスタッフはきつい?デメリットとは?
オープニングスタッフのメリットとデメリットを比較するとメリットの方が多くあるのですが、それでも辞めてしまう人が多いのも現状です。
・みんなが手探り状態のため、分からないことの解決に時間がかかる
営業が始まると機械トラブルなどのイレギュラーはたくさん起こります。
そんな中、バイト同士で解決できた方が円滑に済むことは多くなります。
社員を呼んでしまえば簡単に解決できるにしても、毎回呼ぶのは案外大変だったりします。
研修中にしても、ちょっとのことでもいちいち社員に聞かなくてはならないので、聞きにくいと感じる場合もあるかもしれません。
・同じように教わっているはずなのに経験、能力により差が後々、顕著に出てくる
みんなが同じ立場で入社することには間違いがありませんが、経験がある人は基本知識さえ、叩き込めば感覚でどんどんできます。
同じことを教えてもらったはずなのに経験者はスピード、クオリティー共に違ってきます。
そのため、劣等感を感じやすいことも事実です。
オープニングスタッフは即戦力を必要としているため、経験を重視して採用する場合があります。
未経験者は研修があるから安心と思っていたのに、周りについていけず辞めてしまう人も一定数います。
もちろん、自分が経験者と比べて劣ることがあれば、それは認めた上で、悲観することなく今の自分にできる精一杯のことをすればいいのです。
オープニングスタッフは同期としての仲間意識が強いので、覚えの早い経験者にコツを教えてもらうこともできます。
同期だからこそ、気軽に聞けると思えば気持ちが楽になります。
・研修が厳しい
研修は特に最初のうちは本社の人もいたりと、緊張感があります。
会社によっても異なりますが、“最初”はとても肝心なので、厳しい研修が行われるケースは多いようです。
私の受けたオープニングスタッフの研修は出来ていないことをみんなの前で名指しで注意されることはもちろん、話を聞いていない人、返事をしない人に対しては本社の人が怒鳴り散らしながら注意していました。
「今日も研修胃が痛い」なんて言ってる人もいるくらいだったので、かなり濃厚な研修でした。
ちなみに本社の人が帰ると、バイトだけでなく、社員もホッとしたように緩むのを感じました。
・時間が経つとシフトが当初の希望よりも減らされる可能性がある
オープニングスタッフは研修中に辞めてしまうことも見越して多めに採る傾向にあります。
最初のうちはみんな慣れないことやオープニングのチラシで混むことも予想できるので、厚めのシフトにしますが、当然のことながら、慣れてくればそんなに人手はいらなくなります。
また、売り上げによっては人数を減らしていくことになりますので、希望通りのシフトに入れなくなる可能性も出てきます。
まとめ
オープニングスタッフは研修がしっかりとあるので、慎重派の人にとっては安心ですし、同期は年齢関係なく仲良くなれることが多くありますし、シフトも後に採用された人よりも優先して入れてもらうことができます。
また、何といってもお店を自分たちで作り上げていくというやりがいがあります。
一方で、研修が厳しく、お店が軌道に乗れば当初の約束よりもシフトを削られてしまうかもしれないというデメリットもありますが、総じていえば、オープニングで仕事を始めるのはメリットが多いと考えていいでしょう。