なんとなく懐かしい感じのする肝油ドロップ。
甘くて美味しいゼリーのような不思議な栄養剤で、子供も大好きですよね。
ですが、美味しくてつい食べ過ぎてしまいそうな肝油ドロップ、実は適量が決まっていてべ過ぎてはいけないんです。
ついつい食べ過ぎてしまった場合はどうなるのか、食べ過ぎた時の対処法をご紹介します。
肝油ドロップって何?
まず、肝油の成分は何なのか、見ていきましょう。
代表的な肝油の成分は、ビタミンAとビタミンDです。
タラ、サメ、エイなどの肝臓から抽出したものを原料とするので「肝油」という名前なのです。
栄養価が高いということで戦前から用いられていましたが、独特の臭いがあることと、成分が安定しないため続して使用するのが難しいという難点がありました。
そこで、食べやすいようにゼリーにビタミンAとビタミンDを混ぜて作ったのが現在市販されている肝油ドロップです。
この、肝油ドロップの主成分であるビタミンAとビタミンDは、摂取し過ぎてはいけない栄養分なのです。
ビタミンAやビタミンDの大きな特徴は脂溶性ビタミンである、という点です。
身近な存在であるビタミンCは水溶性ビタミンであり摂り過ぎても尿中に捨てられるだけなので害になることはありません。
しかし、脂溶性ビタミンは言い換えれば水溶性ではないということであり、過剰摂取した分を尿に捨てることができないため摂り過ぎると身体に蓄積して害を及ぼすのです。
肝油ドロップを食べ過ぎた場合の影響は?
肝油ドロップを食べ過ぎた場合ビタミンAの過剰症やビタミンDの過剰症といった健康被害を起こす可能性があります。
まず、ビタミンAの働きですが目や皮膚の粘膜の状態を健康に保ち免疫力を高めます。
過剰になった場合の症状は皮膚の荒れ、脱毛、頭痛、吐き気、出血、体重減少、脳圧亢進、胎児の先天奇形、などがあります。
ビタミンDの働きは骨を作ったり腎臓や腸でのカルシウムの吸収を助ける働きをします。
過剰の症状は食欲不振、悪心・嘔吐、多尿、下痢・便秘腎石灰化、尿路結石、腎不全痙攣、昏睡、などです。
どちらの栄養素も、身体に蓄積していきますのでたくさん食べ過ぎるほど重症になります。
肝油 ドロップの適量とは?食べ過ぎた時の対処法は?
市販されている肝油ドロップはたいてい1日1個で適量の栄養素が摂取できるように作られています。
ビタミンAもビタミンDも年齢や妊娠・授乳などの状況により必要量が異なります。
製品の缶などに書かれている1日の摂取量を守って食べるようにしましょう。
でも、もし、決まった量を超過して摂取した場合にすぐに症状が出るという訳ではありません。
多く食べてしまったとわかったら、それ以降は摂取し過ぎないように気をつけるだけで大事には至らない場合も多いです。
ただし、前の項目に書いたような症状がひどく出てしまった場合はホームケアで対処できるものではないので病院で処置を受ける必要があります。
まとめ
栄養価が高く、食べやすい工夫がされている肝油ドロップは、子供や妊婦・授乳婦などの栄養補給に優れた役割を果たします。
肝油ドロップの主成分はビタミンAとビタミンDです。
これらの栄養素は、「脂溶性ビタミン」と呼ばれ過剰に摂取した場合、体内に蓄積してしまうため健康被害を引き起こすことがあります。
たいていの製品は、1日1個の肝油ドロップを摂るとちょうど良いように作られていますので決められた摂取量を守るのが大事です。
もしたくさん食べ過ぎてしまった場合は症状が軽ければそれ以上食べ過ぎないだけで大丈夫です。
ですが、ビタミンAやビタミンDの過剰症状が出ており、ひどい場合には病院での処置が必要です。
肝油ドロップは健康増進のための栄養剤ですので体調不良を来たすことのないよう決められた容量を守って使いましょう!