大学4年生、卒論の提出期限が迫ってくると、いよいよきちんと卒論に向き合わざるを得なくなりますね。
他の単位は取れたのに卒論だけは単位を落として留年になるケースはよくあります。
卒論をこれから控えている方は、卒論の書き方について疑問や不安があるという場合が多いのではないでしょうか。
特に、引用やコピペについてどこまで良いのだろうかと気になりますよね。
卒論を控えている方へコピペと引用の違いや引用を上手に使って卒論を書きあげる方法についてご紹介します。
結論!卒論は引用ばかりでも卒業できる!
卒論は引用ばかりでも卒業できます。
まじめに書いていても文系はどうしても引用ばかりになってしまうケースは多くあります。
ただし、それは正しく引用でできた場合です。
引用は論文を書く上で必要なものです。
自分の考えを書くために引用が多くなってしまうのは仕方がないことです。
大事なのは引用を用いながら自分の考えが書かれているか否かです。
コピペが卒論ではNGなことくらいは分かる人がほとんどかと思いますが、意外にも引用とコピペが同じものだと錯覚する人は多いようです。
しかし、知らなかったでは済まされず、卒業できなくなってしまいます。
引用にも種類がある
引用は一次資料と二次資料に分けることができます。
図書館や博物館の資料では考え方が異なりますし、文系か理系かでも若干捉え方は変っていきます。
一次資料・・・史料、データの原本
二次資料・・・一次資料元に解析や考察が加えられ、再編集された資料
文系であればこのように把握しておけばよいでしょう。
コピペに使いがちなのは二次資料の方ですね。
よい卒論、評価の高い卒論とはどんなもの?
まずは良いとされる評価の高い卒論とはどんな内容なのかを考えます。
資料や結果など客観的なデータ(一次資料)に基づいて、完全オリジナル、新しい考えが盛り込まれている論文に関しては評価は高く、優秀卒業論文となります。
じっくりと考察した結果、新たな世界を切り開くことができた論文
こんな論文は理想ですが、4年間勉強したくらいではなかなかその境地にはいかないでしょう。
大学院に進学予定の方だと、熱心に考え、図書館で手に入らない資料を自ら足を運んで探しにいくこともあるので素晴らしい卒業論文になるかもしれませんね。
コピペと引用の違いとは?
まずは、よく聞くコピペと引用の違いについてです。
コピペとされるのは、無断でただコピーして貼り付けることです。
特にインターネットのサイトから自分の意見であるかのようにそのままコピーして貼り付けるのはコピペになります。
もちろん、インターネットの内容ではなく、文献を参考にした場合であっても、あたかも自分意見のように論説してしまえばコピペと判断されます。
引用は文献の一部を借りて、自分の説明を深めるために使用することです。
引用の場合には自分の文と引用の文はすぐに区別がつくようにしなくてはなりません。
ウィキペディアの引用は注意が必要
ウィキペディアの引用は基本的にNGとなっている場合が多いでしょう。
これは基礎知識にあたるので、そもそも引用する部分はないはずです。
ウィキペディア自体も何かを参考にして書かれたものであり、誰でも書き込み、編集できるため、信憑性が全くありません。
実際にこのようなTwitterの投稿もありました。
卒論を提出される側の立場(大学関係者)の方のものですね。
ゼミをもったとき,犯罪事件史で卒論書いた学生さんがいたけど,ウィキからの引用だらけだったのには辟易した。指導不足だった。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) June 4, 2014
卒論だけではなく、レポートにおいてもウィキペディアの禁止をしている学校は増えているようです。
卒論で引用をそのまま自分の言葉としてパクるのはバレる?
結論から言うと、絶対にバレます。
既にある研究結果をあたかも自分の意見、考えとして提出するのはコピペするのと同じですね。
何もインターネット上でなくても、文献をそのまま自分の意見としてうつすのであればこれは立派なコピペです。
大学の先生はいわばその研究テーマのプロです。
大学の教授は有名どころの研究は完全に網羅しているからこその大学の教授です。
また、ネットで拾ってきた情報をコピペするにも、やはり、その道のプロには分かってしまうものです。
毎年、同じようにインターネットの情報をコピペしている学生を見てきている可能性があります。
そうであれば、すぐにコピペだと分かりますよね。
悪質だと見られてしまうと、単位をもらうことができません。
それは卒業が遅れることを意味します。
引用をそのまま自分の意見として言いかえるのはやめましょう。
卒論の引用はどこまでOK?引用だらけでも卒業できる?
例え、引用部分が多くなったとしても最低限、自分の考えがきちんと書かれていれば卒業できるでしょう。
特に文系の卒業論文は1ヶ所の引用部分だけでも長いので、引用が長くなってしまうのはありがちです。
一次資料にせよ二次資料にせよ文章そのものが引用となるので引用の割合が高くなるのは必然です。
ただし、卒論で大切なのは・・・
自分の考えをしっかりと示すこと です。
様々な資料を引用し、それを根拠にしつつ、先駆者である研究者の考えを引用し、自分の考えを導くことで卒論が完成します。
そのため、引用が多くなるのはある程度はしかたがないといえます。
卒論が引用の言いかえに
引用が多少多くなるのは仕方がない場合もありますが、引用は使いつつ、自分の考えをはっきりと提示することができれば卒業をすることができます。
例えば・・・
2つの対立する研究があるとします。 その場合、まず二つの研究を二次資料として引用することが必要になりますね。 他の資料などに基づいて考えた結果、自分はこう思う。 |
という書き方であれば、卒論として体を成すのでは問題なく受理してもらうことはできるでしょう。
一方で
2つの対立する研究があります。 一つはこのような考えです。もう一つはこのような考えです。以上 |
これでは単に二次資料の紹介です。
自分の意見が全くないので卒論としては不十分なので、受理してもらえないでしょう。
卒論の正しい引用表記とは?上手に引用して卒論を書く方法は?
何度も言うように卒論は、文系の場合は特に過去の書物から引用することが多いので、引用だらけになってしまうということもありえます。
だからこそ、きちんと正しく引用を使って書きたいところですね。
作業はなかなか細かく、一見面倒ですが、きちんと書くことで文字数も稼ぐことができるため、きちんと書くようにしましょう。
引用表記をきちんとする
論文を引用する場合、引用した部分をコピペのように「」で囲むこと、しっかりと誰が書いた文章なのか誰が研究した結果なのかということを表記します。
* と 番号ルビ をふって、最後に参考文献として著書名、書作者、ページを書きます。
また、文中に出てくる文献については 『』で表します。
引用した後に、それに対しての自分の考えを入れる
先にも述べたように、ただ引用して終わりでは引用した意味がありません。
卒論は「卒業論文」なので言葉の通り、卒業をするにあたり今まで学んできた研究に関して自分の意見を論じる事が求められます。
引用だけを掲載する形になってしまっては
・この人はこのように言っている
・この人の研究ではこうなったようです
など、人の意見の紹介だけではダメです。
いくら人の意見を並べても、それだけでは自分の意見にはなりません。
自分はその引用の内容に対してどう思うのかについて論じていきましょう。
私の研究結果からはこの引用内容と同様の事が言える、この考えには賛同しないなどと、それに対して同じように思うのか、反論するのかを明確にしましょう。 |
そして、それについて考えた自分の意見や結果を書いてください。
社会に出る前の今だからこそ、論文の書き方をマスターしよう
今さら論文やレポートの書き方を勉強しても・・・と思うかもしれませんが・・・
文章を書くということは社会人になった時、あらゆる仕事で必要になってきます。
文章を書かない職場でも、人を説得させる、納得させる場面は多くあります。
論理的に話す、書くということはどんな職場でもどんな立場でも必要ですし、できる人間は必ず出世できたり、頼りにされます。
ここが高卒との大きな違いになります。
今後、社会に出た時のために説得力ある文章の書き方、話し方を卒論を通じて今(学生)のうちからしっかりと学んでおくことはこれからに必ず役立ちます。
まとめ
今回は、卒論を控えている方へコピペと引用の違いや引用を使いすぎずに上手に書く方法についてご紹介しました。
大学の先生はその道の専門家です。
コピペは内容を読めばすぐに分かってしまいます。
コピペと判断されれば間違いなく卒論は受理されません。
かといって、自分の意見がなく、引用ばかりの卒論も認めてもらうことはできません。
引用は正しく自分の考えと結びつけるような卒論を仕上げましょう!
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